やっぱりいい作品は、みんなにみせるべきなのでは? ――はい、たしかに。
ほんとにこの『家なき子レミ』は子供に見せたい作品です。でも、実は、家族と見るべき作品ではないのです。
あんた何を言ってるんですか? とお思いになるかもしれません。ええ。
もちろん、ただの名作としてコレを見るならいいのです。そう、いいのです。マチアに心を奪われている場合のみ、家族と見てはいかんのです。
お母さんとの別れ、落涙。
ヴィタリスさんとの死別、滝涙。
途中まではノーマルな反応。しかし終盤に差し掛かり、頬染めたり、レミが抱きついたり、マチアが抱きしめたりし出すと途端に部屋全体を覆う空気が妙な感じに。そっとチラ見すると、案の上、家族の誰しもが薄ら笑いを浮かべている。
ニヤニヤするな! このバカチンが! 悲しみ、怒り、喜び、照れ、萌え、
すべては涙にして目から出せ! それが正しい世界名作劇場の拝聴・拝見作法だ! どんなにこっぱずかしい場面でも、照れて笑ってはいかんのよ。
名作劇場で『愛!』といわれたら、「アイぃ~?」とニヤニヤする日本人根性を出してはいかん、「はい、愛ですね! 了解っす!」と素直に真正面から当然のごとく受け止めねばならんのだよ。
マジな空気に耐えられず、余計なツッコミを入れる奴とは、同席視聴はできねえぜ。その作品が好きな人間にけなされたりいじられたりするのは同調できるが、なんとも思ってない奴にからかわれるのは無性に腹が立つ。キャラを愛していない奴の横からのツッコミは見る上で非常に邪魔くさい。
うるせーよ、黙って見てられんのか、見てくれなくていいからあっちいけよ、黙らねーと耳から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたるで! お前だよ、お前のことだ1号(だんな)! ツッコミ入れていいのは愛してる人間だけなんだよ! そしてそこの7号100号(こどもら)! マチアとレミが抱き合うと、なぜにこの私の顔を振り返るのさ! 気が散るったらありゃしない。
……いや、だから、その、なんだ……うわ~ん、落ち着かないよ~っ!
私が何を悶えているのか、子供の澄んだ瞳で質問されたとき答えようがないのですよ。しかも子供は適当にお茶をにごさせてはくれない。自分がわかるまで質問してきますから。
仮に「萌えてるんだよ」と言ったとしましょう(普通いわないけど)。すると確実に「……『萌え』ってなあーに?」と再質問されます。萌とはどういう感情のどういう状態なのか、あなた子供に逐一説明できますか? 私にはできません。
『萌え』とは、『萌え』以外の何ものでもないから。ニュアンスで感じるもんですからねえ……。
さすがに7号・100号の脇で悶えまくって取り乱すわけにも行かず。1号の横で、マチア萌え萌え~♪オーラを発するわけにも行かず。なにより自分の歪んだ愛の反応のせいで『家なき子レミ』という作品に変な印象をもたせたら本末転倒なわけで……。かといって平静を装いながら見るは、マチアへの愛が大きすぎてあまりにも辛すぎる……。頬がピクピクしてしまう。
真剣に視聴もできなければ、萌え転がることもできない。家族と見るのは
生き地獄ですがな。....orz
結論として。
頼むから浸らせてくれ……(泣)となるので、家族(特にアニメ萌えしない奴)と見てはいかんと思います。あとで改めて一人でコソコソ見て、不気味な笑いを浮かべつつ悶えて転がりまわるのが一番精神衛生上いいでしょう。見せる場合は、自分は一緒に見ないことですね。
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