この間アニメの話題を書いてから、ふと思い出したことがありました。そういえば、実は漠然とですが、もう一度観てみたいと思っていたアニメがあったことを。
『家なき子レミ』ってご存知でしょうか? 『家なき子』ではなく、安達祐美のドラマ『家なき子』でもなく、その昔ハウス提供の世界名作劇場枠でやったアニメです。23年(かな?)続いたハウス名作枠の、最後の作品。
実は、この作品の放映当時、私はもうかなり大きくなっており、さすがにハウス名作枠は観なくなっておりました。その頃はアニメ自体もかなり進化しており、わざわざこの枠を観なくても、巷には名・駄作混在してかなり大量に提供されている状況、掃いて捨てるほど選択肢があったのも事実です。そんな中、わざわざ、古臭い感じの主に教訓めいた話の多い名作劇場にあまり興味はそそられませんでしたし。
そんなあるとき一枚のポスターが目に入って。昔みていた名作劇場の名前があったので懐かしくなりなんと無しに見てました。正直存在すら忘れていました。珍しく私がポスターを読んでいるので、そのとき一緒にいた人が声をかけてきました。私が「なつかしいねえ、まだやってたの? この枠」と言うと「なんだかね、その作品が最後になるんだってさ」と教えてくれたのです。
ふーん、『家なき子レミ』ねえ。ほー。あ、なんか、この主役と一緒にいるじーさん、私の好み。
この時もさして興味がでたわけではなかったんですが、最後の作品ときいて一抹の寂しさを感じたのをおぼえています。
それからまたしばらくたったある日、珍しく早く帰宅できたので何気にテレビをつけると、ちょうど名作劇場のイントロが。
あ。これ、例の最後の作品ってやつか。
ほかの番組を見ようとしていたのですが、懐かしさも有り何気に観始めたら、もう大変。
……おもしろい。げーっ、おもしろすぎる……。
もうすでに物語の後半に入っていたのですが、ハマってしまいました。それからは、レミのやる日ははやく帰ってきてドキドキしながら名作劇場みてましたよ。
ドキドキ。そう『ドキドキ』です。
ハラハラドキドキのドキドキではなく、胸キュン(笑)のドキドキです。
観る目的だったじーさん(ヴィタリス)はもう死んでしまっていたので登場しなかったのですが、レミとマチアの幼い純愛が、もう、ほんと最高で。
ものすごく大好きでした。でも、すごく好きだったことは覚えているんですが、内容は覚えていないんですよ。
で。
おとといTUTAYAに立ち寄ったとき、突然気になりだしまして、レンタル半額だったのをいいことに全巻借りてきました。
――いや、どうしましょう。
たまらん。記憶よりもはるかにイイ。つか、名作劇場じゃないでしょ、これ。
後半のみに限定してたとえるなら、『ラピュタ』あたりの宮崎アニメに少女漫画テイストをかけた感じ? マチア……最高。
正直……シェイドよりイイかも……。
(いや、かっこよさの種類が違うから比べるのもなんだけど)
マチア好きな人が『ふたご姫』みてシェイドを好きになるかどうかはわからないけど、シェイド好きな人は絶対『レミ』みたらマチアに惚れると思う。まあ、私が先に惚れたのは年代的にマチアの方が先になるんですがね。
初期の宮崎アニメっぽい絵がダメでなければ、かなりきますよ。(ちなみに私は『トトロ』あたりからの宮崎アニメの絵は嫌いです)
まあ、それはとりあえずおいといて。
この作品て、名作劇場ファンにはかなり受けが悪く、評価低いらしいんですよ。
というのも、『家なき子』と銘打ってあるくせに、とんでもなく原作無視してるとかで。
まず、主人公の性別が違う(笑)。ストーリーが違う。はしょられ過ぎ。登場人物の役割が違う。後半は主役がレミですらない(笑)。お母さんとの再会も付け足しみたい、と。
昔だったからこういう例えはなかったでしょうが、今風にたとえるなら“まるで腐女子の妄想同人誌(性表現抜き)”とでもいう評価だそうです。
原作ファンからも評判悪い、名作劇場ファンからも評判悪い、以前のアニメ(かなり昔に『家なき子』は一度アニメ化されてるんだそうです。で、そちらは細かいところ以外は結構原作に忠実だとか)のファンからも評判悪い。
こんなの「家なき子じゃない!」のだそうです。
――いいですよ。『家なき子』じゃないですから。
これは原作無しのオリジナルアニメですから。
この作品がいけないのなら原作なしの作品だと思ってもらって原作派の方はどうぞ存在を忘れてください。お願いします。
すみません、私は気が弱いのでココから反転。
旧アニメを『レミ』の後に見た私にしてみりゃあっちの方がバッドパラレルだし! レミは女でなきゃいかんのよーっっ! マチアとドキドキするような純愛をくりひろげないといけないのよぅ! しかもなんですかあのマチア! 私の中でマチアは『レミ』のマチアしかおらん! 原作にどんなに似合ってようと、私のマチアには『あしたのジョー画』はいらねー!
だいいち、私が虜になったのは少年少女の純粋でひたむきな打算のない愛の部分なんだから、レミが女でなきゃ意味ないんだよー! 私には否定されてる大前提の部分が大事なんだもん!
原作を知らずにまっさらな状態で『レミ』を観た私だからこそ『レミ』否定派に声を大にして問いたい。『家なき子』としては駄作扱いしてもかまわんけど、関係ない一つの作品としてみたときもそんなに駄作な内容なのか? と。
いいじゃないですか、原作の知識のない私にしてみりゃ、はしょられてたって意味通じてますよ? 流れだって、とんでもない打撃的な破綻はないじゃないですか。悲劇的な悲しい部分を延々50話近くも観るより、このくらいが私にはちょうどよい(暗い設定の話ばかり書いている私が言えた義理じゃありませんが)。26話でよくこれだけ話としてまとめたなと、反対にほめたいくらいですけど。
名作劇場枠でやったから問題なだけであって、単品の話としてみるならかなりいい出来の名作だと思いますよ。
前半部のヴィタリスさんとのエピソードもいいし、後半部のマチアとのエピソードも脳みそとろけそうに最高。
いまゴールデン枠でやったら、日本中の腐女子が黄色い歓声とばすと思いますけど。へたに名作劇場枠でやってたから、腐女子がみてくれなかったんですよ。この作品の不幸は、放映した時代と、名作劇場枠でやったことです、絶対。
名作劇場の足を引っ張ったんじゃなく、反対に、評価が低いのは名作劇場枠ということに足を引っ張られたんです。派手なトリックがないだけで『ラピュタ』より名作ですよ、少年の想いの部分では。
ああ、もう評価低くったっていいわ! マチアがカッコイイのには変わりないし。『レミ』のマチアはレミマチアファン(いるのか?)だけのものよ!
あとで泣いて謝ったって返してやらないんだから!(謎)
――さて。マチアの話に入りましょうか。
マチアというのは不良少年(厳密にいうと違いますが)です。
……それだけです。
いや、違うんですけど、一言でいったらそれだけだなーと。
言葉で説明しようとするとなんだかうまく伝えられないので観ていただくのが一番いいと思います。
それどころか、ほんとはまったくの予備知識なしでみて欲しい話なんです。よし、どんなにすてきなヤツなんだ、どんなに純愛なんだ、と構えながらみて欲しくないというか。でも知ってる人が少ないので、薦めないと見てもらえそうもないしなあ。
私もあんな恋愛したかった(…しみじみ)。あんなふうに愛されたかった……。乙女モード全開だよおおおぅぅぅぅぅぅ。小説や漫画と違って視覚と聴覚から“がんっ!”とくるから。アニメっておそろしい。
しかも、前回のシェイドの話のときに『お手をどうぞ』が私のツボ押しの直球ストレートといいましたが、マチアの最後のセリフはもっと激しい顔面ストレートの言葉ですから!
こっちは、現実に言われてもオチます。私を落とそうと思ったら言ってください(そんなヤツいないし)。
もしもマチアに面と向かってあんなこといわれたら鼻血噴きますよ(マチアが何といったかそれは内緒)。
ひょっとして私、少年キャラに弱い? ショタ? ……いやちがうな。かわいい男の子には興味ないし。
『ナウシカ』のアスベルとナウシカや『ラピュタ』のパズーとシータとかのカップル好きだから、フィルター全開のカップルチョイサー? それとも宮崎アニメ系萌? ……いや、そうでもないぞ?
現実の人間だとがっちりしたゴリラ系が好みだし、おっさん好きだし。共通点ないぞ?
あ。
この文を書いていてはじめて気づきました。
私、守ってくれる人が好みなんだ。守られたいんだ。
うーわー、そうだったんだー(驚)。こっぱずかしい……。
まあとにかく。絵はですね、すごくキレイです。DVDで観たせいもあるのかも知れませんが、これ、ほんとに10年前のアニメ? というくらい動きや作画も現代のものと見劣りしません。CG使われるより、かえって全体に品があってキレイなくらい。
今時のアニメにありがちなオモチャとタイアップしている絵も入ってこないから、純粋に物語にひたれていい。使いまわしも多いけどそんなこと気にならない。顔の崩れもほとんどなく、私のような素人目には、ものすごくハイクオリティに作られた作品に映ります。いや、絶対にやっつけ仕事ではないでしょう。
そしてマチアが、出番のある回全部通してつねにカッコイイ。殴られようと、蹴られようと、ボコられて顔がはれていようと、その中にかっこよさがある。最後の方は斜に構えた表情が減り、きれいな目をまっすぐに向けるようになるんですけど、なんというか、その頃になると超美形です。なんですかそのかっこよさは! 犯罪だろってなくらい。(私は斜に構えた表情の時のほうがカッコイイを連発してましたけど)
レミをまっすぐに見つめる真正面ドアップが多くなり、正直、目をあわせられません。そんなにまっすぐに私を見つめないで!(←違うから) 自分がひどく汚れていると感じる瞬間だわ。
あんなひたむきで純粋な眩しい視線を至近距離で向けられて、よく直視できますね。レミ、おそろしい子……。あの攻撃をガッツリ受け止められる事実だけで、あなたにはマチアに愛される資格があるかもしれない、うん。
ラストのセリフを言うときの表情も、目が丸すぎず鋭すぎず幼すぎず、ちょうどいいカンジにクールでした。ラストカットは等身がこころもち伸びて輪郭ラインもすっきりしてましたが、良い感じでした。
全編とおして大変満足なんですが、一箇所だけ、どうにかしてと思う場所が。
最終話のレミと母親が再会できたすぐ後のマチアのドアップ。
なんでココであしたのジョー? 今までほぼ全部きれいだったのに、どうしてこの部分だけあしたのジョー?
――視聴者に母娘再会の感動をさせない作戦ですか? 冒涜というのなら、これが一番『家なき子』というストーリーへの冒涜だと思いますよ? (一応建前上)一番のクライマックスで笑わせる演出とは。ラストの例のシーンまであしたのジョー引っ張らないでくれてほんと良かったよ。
まあいいです。どうでもいいから、原作無視したのなら、そのまま勢いつけて『家なき子レミ2』作ってください。
あ、やっぱりやめて。絵がちがったらヤダ。あのクオリティ期待できそうもないし。
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